里山でのキノコ狩り
共有私有林
どこの農村にも村人の共有の、平等に入る権利を持っている入会山(いりあいやま)というのがあります。入会山から燃料を、薪をとってくる。あるいは草を刈って堆肥を作る。入会山がなければ稲作は不可能ですね。入会山と水田とはセットになって農村が成立するのです。(「司馬遼太郎が語る日本」から)
この山は所有者はいるのだが占有しているのではない。共有林である。また、9月10月は松茸山の落札者しか、つまり所有者であろうと立ち入れなくなるのである。昔は里の燃料庫であったが、いまでは榊やしきびを採る程度の利用しかされていない。
松茸山入札会
私の地区では9月1日は恒例の松茸山の入札である。落札すれば9月,10月はその山を占有できる。では、関西の信楽の里山ではどのようなきのこが見られるか。
まず、第一の目標はもちろん、松茸(まつたけ)である。しかし、最近は発生が非常に少なくなってきた。最近は前年の半分しかとれない状態が続いている。次はほんしめじ。菌根性の本シメジはまつたけよりも発生する箇所は限られている。これは市場でひらたけをほんしめじといって売っているものとは全く違う。この他、香りのいいこうたけ、ちょっとくせはあるが、酒のあてにはもってこいのくろかわ、ワイン色のさくらしめじ、ほんしめじと遜色ないはたけしめじ、肉のしっかりしたしもふりしめじ、まれにむきたけ、くりたけ、あみたけ、ほうきたけ、しろかのした、ますたけ といったきのこが見られる。
はつたけ、しょうげんじ、あかやまどりは大学周辺でも見られる。
まいたけ、なめこ、すぎたけの類は見たことがない。やはり、ブナ林のきのこなのだろう。
作ろう、原木でのきのこ
天然のきのこが入手困難となれば、あとは自分で作ろう。原木(ほだ木)は次の項目で確認しよう。しかし、里山では こなら か くぬぎ 、さくら の類が一般的だろう。とくに こならは どこにでも見られるし、ひらたけ以外の大抵のきのこにあう。
「新緑の候」
はきのこ狩りに無関係な時期ではない。
新緑というのは、主に落葉広葉樹、つまり秋に落葉したナラやクヌギといった木々が一斉に新芽を出すこと。つまり松やスギ、ヒノキなどは針葉常緑樹、クスノキ、カシなどは広葉常緑樹だから新緑の色は出せない。この時に、どのあたりに新緑が多いか、つまり落葉広葉樹が多いかを見ておく。落葉広葉樹はブナ科、バラ科のさくらなどきのこ類の原木として適当なものが多い。そうすれば、その秋にきのこの原木を穫る場所が確認できる。
これは季節が違うが山菜、たとえばタラの芽でも同じことが言える。旬のタラの芽を4月に見つけるのはなかなか難しい。まして5月に見つければ、もう伸びきっているし、たいがいだれかに穫られている。しかし、9月になればタラの花が白く咲く。その時期では特徴的な色なので一度覚えればすぐに判る。そこで、春の芽時にタラの木を確認しておく。そして9月にもう一度その場でタラの花が咲いているのを見て、その特徴的な白い色を覚えて、野山を見渡せばよい。一つの花はごく小さいが、大きな房になって咲くのでかなり遠くからでもすぐに判る。春に探しても道ばたのものしか分からないが、この方法では意外とあちこちにあるのが分かるし、それらは春も見逃されているものが多い。これでポイントを確認しておけば翌年の春のシーズンに難なく大量に採集できる。
野山はいろいろなシグナルを送ってくれる。そのシグナルをいかにうまく利用するかがポイント。
種駒菌の入手
いくつかの会社から種駒菌が販売されている。
日本農林種菌株式会社 JA系列で販売されている。しいたけ、ひらたけ、なめこ、えのきたけ の種駒菌。
加川椎茸株式会社 コメリ系列で入手した。しいたけ、なめこ、ひらたけ、えのきたけ、きくらげ、くりたけ、たもぎたけ、ぬめりすぎたけ、ぶなはりたけ、むきたけ、まんねんたけ と種類が豊富。このほか種駒菌ではないが まいたけ、ぶなしめじの種菌も販売されているようだ。
作り方。
次の、きのこリンク集の中に詳しく解説してあるホームページがあります(う〜む、これは手抜きじゃ)。